*Only Princess*

素直になって

.
。.
:*
.
。.
:*
.
。.
:*






「行ってきまーすっ」


「いってらっしゃーい」



翌日、朝。


あたしはいつも通りお母さんに見送られて家を出た。


昨日、美紗に相談してスッキリすることができた。


美紗に言われた言葉を思い出す。



『菜生、白鷹のみんなに対して素直になりな。好き嫌いはいいとして……とりあえず、昨日はごめんなさいって謝るの』


うん、あたしもそうするのが一番だと思った。


昨日みんなにはひどいことを言った。


さすがに傷つけたと思うから、謝る。謝りたい。


早く学校に行って、みんなに言いたいよ。



それにしても……
雨が降りそうな空模様。


何か悪いことが起こりそうな、そんな雰囲気。



学校に向かって駆け出そうとした、そのとき。


前から走ってくる黒いワゴン車。


それはあたしの横で止まった。


中から出てくる、ガラの悪そうな人たち。


なに、この人たち……?


もちろん気になったしビビったけど、無視して学校に向かおうとしたら。



「お前、高村 菜生か?」



ボスらしき人がそう尋ねてきた。



< 54 / 422 >

この作品をシェア

pagetop