*Only Princess*
「……本当は気づいてた。てったはみんなといるほうがいいってこと。引き剥がしちゃいけないってこと」
てった、みんなといると楽しそうなんだもん。
信頼してるし、されている。
そういうことが見ているだけでわかった。
それにてったがみんなといたいと思ってるなら、それを尊重するべきだよね。
「……あたし、暴走族なんか嫌いって思ってたの。キケンなことするなんて理解できないし、怖いから。正直、今もそんな好きじゃない」
布団をぎゅっと握る。
「でも……みんなは違う。みんなのことは……好き、かも」
"かも"って付け加えるなんて、自分でも呆れるほど素直じゃない。
でもね、この言葉は偽りじゃないの。
心から思ってることなんだよ。
「みんなのことは信頼できる。だから……あたしの大事な幼なじみ、てったが白鷹のみんなの仲間だってこと、認める」
「菜生……」
1人1人としっかり目を合わせた。
あたしの気持ちは伝わったはず。そう思ったら。
みんなほぼ同時に"ぷっ"と吹き出した。
えっ、なに? なんなの!?