*Only Princess*

過去の記憶―哲太side―

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◆哲太side◆




俺は何度も助けられた。


暗闇の中でうずくまっていた俺に手を差し伸べてくれた。



幼なじみと、仲間が────。






「やめてっ……あなた、もうやめてぇ」


「か、母さんっ……」



俺の父さんは暴力癖があった。


機嫌が悪いときとか、俺や母さんにいつも暴力を振るっていた。


何度も傷つけられた。


だけど母さんは決して離婚はしなかった。

本当は優しい人で、愛してるからって。


そのせいで、アザやすり傷などしょっちゅうつけられていた。




「いってぇ……」


「あ、てった。 また、アザができてる……手当てするよ!」


「……わりぃな、いつも」


「んーん」



幼なじみの菜生は、少し意地っ張りなとこもあるけど真っ直ぐで。


いつも俺を助けてくれた。


菜生の家によくお邪魔して、父さんと会う時間を減らしたり。


いろんな配慮をしてくれた。


それが嬉しくもあったけど、男のくせに頼ってばかりな自分が情けなく思えた。



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