*Only Princess*

隠しごと―蛇王side―

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◆蛇王side◆




ポタ、ポタ…とどこからか雫が落ちる音が響く。


薄暗くて湿っぽいその空間に、2人の男女がいた。


普段は可愛らしい笑顔を見せる女は、険しい面持ちで男に問い詰めていた。



「ねえ、なんで? なんであの子を連れ去ったりしたの!?」


「はぁ? てめぇには関係ねぇだろ」


「関係あるよ!」



2人の間には、ピリッとした空気が流れていた。



「……ったく。あいつをさらえば、白鷹をおびき寄せることができんだろうが」


「だからって、あの子に手荒なことするなんて……っ」



なんで、どうして、と女は繰り返す。


面倒くさそうに頭を掻く男に対し、女は男を責めると同時に自分のことも責めた。



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