すれ違う未来
せいちゃんの結婚式に出席するために上京した時、ご両親に岩崎は結婚のご挨拶をすると言っていた。
電話ではもう話は済んでいるのだけど、三都の実家へ行くのはお正月休みまで無理そうだと岩崎は申し訳なさそうに言った。
「でも、せいちゃんの結婚式があるから、いい機会だしってお母さんが言ってくれて」
三都は笑う。
「じゃあ、岩崎も三都の婚約者としてせいちゃんの結婚式に出るの?」
「うん。 出てくれたら嬉しいって、清二さんと多美さんに言ってもらえたし」
「せいちゃんと会ったんだ?」
「三都からやっと身内を紹介してもらえた」
岩崎はとても嬉しそうに笑った。
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