永遠のキミに恋をする。

那月すばる

放課後の時間。今日は、1年生の部活見学があるらしい。
らしい、というのは、私には関係ないと思ったから。
きっと、見学に来る人はいない。入部する人もいない。というか、されたら困るから。

そんなことを考えながら、文芸部の部室へと足を運んだ。



教室があるのとは別校舎の、少し古びた部活棟の1階。
そこに文芸部室はある。

文芸部と書かれたプレートのかかったドアを、ゆっくりとあけた。

ふんわり、本の香りが漂ってくる。
私は、この香りがすきだ。
安心して、居ることのできる雰囲気を作ってくれているから。

私は、入ってすぐにある長机に鞄を置き、壁際にある本棚から1冊、本を手に取った。

いつもなら、このまま時間がくるまで読書をするのだけれど、今日は違う。

〝部活動〟をしなくてはいけない。

文芸部の活動は、ただ本を読むだけではなく、月に2つ以上、ポップを作らなければいけない。

思ったんだけど、ほとんど部活として認められてない文芸部に、活動も何もないんじゃ…。

って、そうじゃなくて…。


「早くポップ作って、本を読もう」


先生に貰った色画用紙に、紹介する本の情報を書き込む。

『ノルウェイの森』

今回紹介するのはこの本。
私の好きな本のひとつ。

読んだ内容を思い出しながら、早く終わらせたい一心で手を進めた。





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