一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
「ありがとうミャー。……幸せになろうね」

涙を拭ってくれる指が温かくて、優しくて。

せっかく拭ってくれているのに、嬉しくて次々と涙が零れる。

幸せすぎて怖いだなんて、どんな状況を言うのだろうってずっと理解できずにいた。

でも今ならわかるよ。

だって私、今とても幸せすぎて怖いくらいだから。


この日の夜、自宅に帰ることなく南さんと甘い一夜を過ごした。


週明けの月曜日から二週間海外支社への出張が入っており、しばらく会えなくなる分、ぬくもりを感じ合ってお互い沢山話して。


時間が経つのが早すぎると思えてしまうほど、素敵なひと時を過ごしていったんだ。
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