一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
昼食後は浅草を満喫していった。
まずは浅草寺へ行き、お参りをしておみくじを引いて。その後は仲見世通りをふたりでぶらぶら。
できたてのせんべいや人形焼きを食べたり、日本らしいお土産ものが並ぶ店内を眺めたりしていたら、時間はあっという間に過ぎていった。
「ミャー、今日はどうだった? 楽しめたかな?」
帰りの電車の中。席は埋まっていて、南さんとふたりでドアに寄りかかっていると、彼は恐る恐る私の顔を窺いながら聞いてきた。
そんな彼に口元が緩んでしまう。
「もちろん楽しかったです。最初から最後までずっと」
素直な気持ちを伝えると、南さんは心底安心したように肩を落とした。
「よかった。……僕も楽しかったよ。全部が初めての経験だったから」
そう、なんだよね。
南さんは上野動物園も昼食も浅草も。すべてが初めてだった。
そんな場所を今日、選んでくれたのはなぜだろうか。ふと気になり、聞いてみた。
「あの、どうして今日みたいなところに行こうって思ったんですか?」
「え?」
「……正直、ちょっと意外だったので」
すると彼はなぜか気まずそうに頭を掻いた。
まずは浅草寺へ行き、お参りをしておみくじを引いて。その後は仲見世通りをふたりでぶらぶら。
できたてのせんべいや人形焼きを食べたり、日本らしいお土産ものが並ぶ店内を眺めたりしていたら、時間はあっという間に過ぎていった。
「ミャー、今日はどうだった? 楽しめたかな?」
帰りの電車の中。席は埋まっていて、南さんとふたりでドアに寄りかかっていると、彼は恐る恐る私の顔を窺いながら聞いてきた。
そんな彼に口元が緩んでしまう。
「もちろん楽しかったです。最初から最後までずっと」
素直な気持ちを伝えると、南さんは心底安心したように肩を落とした。
「よかった。……僕も楽しかったよ。全部が初めての経験だったから」
そう、なんだよね。
南さんは上野動物園も昼食も浅草も。すべてが初めてだった。
そんな場所を今日、選んでくれたのはなぜだろうか。ふと気になり、聞いてみた。
「あの、どうして今日みたいなところに行こうって思ったんですか?」
「え?」
「……正直、ちょっと意外だったので」
すると彼はなぜか気まずそうに頭を掻いた。