俺様社長に飼われてます。


「したことないですね。この間まで女子高生だったので」

「今時の女子高生なら化粧くらいするものじゃないのか」

「校則で禁止されてたので」


女子高生の中でも一般生徒とJKという種類が存在するので、私は前者。

真面目なごく普通の女子高生で、後者は教師に逆らってでも自分の趣味や意思を貫くいわゆるリア充系。


特別可愛くなりたいだとか、お洒落をしたいだとかそんな気持ちが全くなかったとは言わないけど、教師に逆らう勇気はなかった。


「そうなのか。化粧に興味は?」

「まあ……なくはないですけど」


高校を卒業して順調に行けば、きっと今頃大学に行って化粧も練習していたんだろうか。

そんなたらればを言ったって仕方ないのだけど、今となっては化粧をする意味がない。


「そうか」


そう言って静かにうなずいた高山さんはコーヒーカップを大きく傾けて、ソーサーの上に戻した。

先ほどの話題はもう終わったらしく、高山さんは何事も無かったように立ち上がって朝食に使った食器類を持ってキッチンに向かった。


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