俺様社長に飼われてます。


「おかえり」

「……た、ただいま?」


高山さんの長い腕が私の肩に伸びてきて、そのまま首に回された。

ソファを隔てて高山さんに抱き締められているらしく、私は身を固くして彼から顔をそらした。


「高山さん、いつ帰って来たんですか?」

「確か19時過ぎだな」


後頭部に高山さんの吐息が当たってくすぐったい。彼が喋るたびに、私の髪の毛が揺れる。


「ずっとスーツだったんですか?」

「ああ、帰ってすぐ寝てた」


帰宅したらすぐに私服に着替える彼が珍しい。よほど疲れていたんだろう。

それとも、すぐにでも寝て思考をシャットダウンしてしまいたいと思うほど嫌なことでもあったんだろうか。


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