music〜君と奏でて〜
気がつくと、真っ白なベット、真っ白なカーテン、真っ白な天井があった

あたし…やっぱり、倒れちゃったかあ…。

最近、調子よかったのになあ…。

そんな事を思っていると。

「琴美、起きた?」

優しく声をかけてきたのは

「柊!」

そう、柊だった。

「…らぎ。……んね」

「ん?」

「柊…ごめんねぇ…」

まず、あったら柊に伝えようと思ってた言葉。

〝ごめんね〟

あたしのせいで、ライブが…酷いものになっちゃった。

「ごめんなさい」

こんな謝罪で足りるわけないけど

「っ…ごめんなさい」

「ちょっと待て!ごめんなさいばっか言われてるけど…体調優れない時なんて誰でもあるだろ?」

そんな〝体調優れない〟なんて、生易しいもんなんかじゃない。

「あたしは病気なの」

あたしは初めて、この病気のことを他人に話す。




















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