神にそむいても


バスは最初の目的地・平城京跡に着いていた。


「ごめんね、じゃあ行ってくるね」

「うん、楽しんできて……」

力なく答えて、しほりにプラプラと手を振ると、
しほりは申し訳なさそうにバスから下りていった。

他のクラスメートも
心配そうだったり怪訝そうだったり様々な表情を浮かべていたり
「大丈夫?」といった声を掛けてくれながら、
バスから下りていく。


結局、私は体調がすぐれないまま。
担任と相談してバスで待っておくことになった。


天智天皇と間人皇女のこととか、孝くんとのこととか、智が誰と明日まわるのかとか、
色々色々悩みはあったけれど。

それでも、なんだかんだでみんなとの観光はけっこう楽しみにしてたんだけどな。
ネットで下調べまでしたりして。



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