片思いの相手
「…迷惑なんだよ。散々振り回しておきながら、こんどは全く来なくなる。お前は小悪魔か。逆に追いかけなきゃいけなくなるなんて、オレもびっくりだわ。」

『はい…?』

真剣な先生の射抜くような強い視線。

「んなぐちゃぐちゃに泣いて、オレに抱きしめろって言ってんの?」

そう言いながらもう抱きしめられてます。

あったかい…じゃなくて!

『先生?』

混乱したまま、真上にある先生の顔を見上げてみる。

「うるさい!くそ可愛いな、お前。」

真っ赤な先生。

つまり、先生は私のことが…?

えっ。ウソ?

『先生、あの…。』

「…好きだよ。」

…嬉しい。

ようやく冷静になりつつある頭の中。

先生のこの言葉を待ってたのに。

『…ありがとうございます。でも、私はもう…。』

「うるせぇ。」

またも遮られました。

「何をごちゃごちゃ考えてる?」

さっきまでの赤い顔ではない先生の強い視線を感じます。

『だって、私は…。』

「天涯孤独の身だから?釣り合わないって?お前、兄貴とオレの電話聞いてたんだろ?」

なんで知って…。

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