駄菓子屋へようこそ(仮)
お祖母ちゃんが


なんだろう。
なにをしてるんだろうわたしは。


超人見知りのはずなのに、今しがた知り合った、いや、出会った、見ず知らずの男の人の漕ぐ自転車に乗り。


その背中に、いや出来うる限り踏ん張って縁に掴まって触れないようにはしているとはいえ。


その背中を目の前に、横座りして荷台に座っている。
学校では男子ともろくに話も出来なかったのに。


なんだこれは。
妙にドキドキするし。


いやこれはテレビか何かで見た、俗にいう吊り橋効果とかいうやつだ。ただ単に。


「やっぱ、菊さんに似て美人だな。お孫さん?」


「はい??何か言いましたか??」


風も受けているし、緊張しているし、しがみ付くのに必死で、聞き取れなかった。


「いや、なんでもねえよ」


「……お兄さん??はどうして祖母を知ってるんですか??」


「あ~昔ちょっと世話になってね。思い出して近くまで探しに来てみたんだ」


「…ふうん」


「着いたみたいだぜ?なんかあったのかね?騒がしいな」


キュッと止まった自転車の背中に、不意に体が触れ、ドキッとしてしまった。


―――暖かい………。


代わって持ったハンドルに温もりが残っていた。


―――不思議な感覚に襲われていた。



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