駄菓子屋へようこそ(仮)


―――深夜。


うとうととしているわたしに、お母さんが来て、


「少しくらいなら大丈夫だから。部屋で休んでいなさい」


言われて和室から出た。
ふと、家の横手にある小さな縁側でひとり座って空を見上げる和平さんが目に入る。


ぼんやりと、ただ空を見上げるその横顔は、お祖母ちゃんを思い出しているように見えた。


気付いてわたしに向いた。


「…ああ、思い出しててね。…少し休んでおくといい」


「…あの、そういえば、お祖母ちゃんとはどういう…??」


「さっきの」


「えっ??」


「さっきの帳面。…うちの爺さんが同じもの持ってたんだ」


不思議と、ちらちらと少しずつではあるけれど、顔を見て話せていた。こんなこと今までなかったのに。


「やっぱりお孫さんなんですか??」


「いや、それは…違うかな」


「幸実」


菜月に声を掛けられて、なんとなく離れてしまった。



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