俺、兄貴になりました④



朝からそんな騒がしいやりとりをして学校へ向かう。


翠にぃと慶にぃと俺は年子だから、みんな同じ中学。


一緒に登校して昇降口につき自分の靴箱を開ける。


とたんに中から落ちてきたのは、おそらくチョコが入った大量の箱や包み袋。


1番上にある俺の靴箱のロッカー。

危うく頭や顔にぶつかるところだった。


危ない危ない。


くれるのは嬉しいけど、多すぎて処理に困る。


どうしようかと悩んでいると、翠にぃが大きな紙袋をくれたので、そこに突っ込んだ。



「あれ…翠にぃチョコは?」



見れば、翠にぃの手にはチョコが1つもない。

こんな爽やか王子の翠にぃにチョコが1つもないなんておかしい。



「あー…俺のは多分ファンクラブの幹部さん達?が管理してくれてると思う」



え、なにそれ。


ファンクラブの幹部?


そんなのいるの。


怖いんだけど。


< 27 / 87 >

この作品をシェア

pagetop