1%もアルモノ
Ⅰ コイゴコロ

中学1年の時、私は恋愛になんて全く興味が無かった。



周りの子がする恋バナに入っていくことも無かったし、好きな人なんてもちろんいなかった。




そしてそのまま進級し――





私、森下 真美は






中学校生活の約半分を、青春を感じる事無く過ごしました。




***********



「今日席替えするからー。」

2学期の中間テストを目前にした英語の時間、先生が言った。

周りの子達は何が嬉しいのか、騒ぎ出す。

席替えと言っても英語の授業限定の席。

誰の隣になろうが、その時だけ。


あたしは別に…どこでも良い。

…やっぱり出来たら後ろが良いな。

ボーッとしている間に、テンションが上昇している子達が番号で席を混ぜ、皆移動を始めていた。


私も急いで教科書や筆記用具を持ち、黒板を見て自分の席を確認する。


……最悪。


前から2番目…しかもど真ん中。


「真美ーっ!!席離れたぁ…しかもあの場所やだぁ…」
今日まで隣の席だった友達の、結城 恋奈(ユウキ レナ)が泣き付いてきた。
「恋奈…アンタ場所どこよ?」
「……一番後ろ」


天国だよ。変わってあげようか?

「はぁ…前の方だけは嫌だったのに…」

私はかけているメガネを少し上げた。

「森下かわいそー、前の方じゃん!」
喧嘩仲間のような男子達が私の不幸を喜ぶようにからかってくる。
「うっさいな!!」
「日頃の行いが悪いんだよ、お前怖いもん!!」
「あんた達が弱いだけでしょ!?てかいっつも喧嘩売ってくんのそっちだし!!…あーもー最悪…」

私はからかってきた男子達を一発ずつ蹴ってから、嫌な席に着いた。



先生が、近い…。


また溜め息が出る。

仲の良い友達は殆ど離れ、少し疎外感を感じた。


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