桜の下で
思い出した
〜菜穂side〜

「_…んぅ…?」

目を覚ますと白い天井。

規則正しい音を出す機械音。

どこだろここ。

「_…ッ菜穂!」

直也の声?私生きてたの?

急に直也が抱きしめてくる。

「菜穂…よかった…!生きててくれて本当によかった!」

直也の声は震えている。肩には暖かい感触。

「直也…私…生きてるの…?」

そう聞くと直也は私の肩を掴んで

「当たり前だろ?!俺が今目の前にいるだろ!」

少し怒りを帯びた声で言った。

「直也…もしかして助けてくれたの…?」

「助け…られてなんか…いない…俺は…」

直也は涙をボロボロと流しながら

「守れ…なかっ…た…ん…だよ…」

「ごめ…ん…な?痛…か…っただ…ろ?」

「ねぇ…泣かないで?私まで…悲しくなるじゃん?」

「俺は…二…度と…こん…な…思い…さ…せたく…なかっ…たのに…!」

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