この夏が終わっても

すると、そんな私を察するように清香ちゃんは腕時計を見て慌てた演技をする。


「あ!ヤバい…!先輩達が来る前に準備しておかないと怒られる!
ほらっ、里奈!行くよっ…!」

「う、うんっ…!」

清香ちゃんに手を引かれて、私は笑顔になると一緒に走って学校へ向かった。

……。

高校一年生の夏休み。
初めは期待に胸を膨らませて、些細な事に嬉しさが溢れていた将ちゃんとの嘘の恋人関係。

でも、次第に清香ちゃんの言葉通りになっていって…。
時が経つにつれて、私は将ちゃんとのこの微妙な関係に悩み始める事になる。
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