空飛ぶ計画
「僕」



僕はとても孤独だった。

幼稚園児の時も小学生の時も中学生の時も、今、高校生になっても、友達に困った事は無かった。特別目立つグループにも入らなかったが、かと言っていじめられるような事も決して無く。(と言うより今時不良振るやつもいじめなんかするやつもいない。子供は子供なりに忙しいのだ。そんな事をしている暇は、ない)

僕はとてもモテるわけでもないがたまに女子から告白をされた。それでも僕は必ず、彼女がいるんだ、と断わってきた。(彼女なんてものいたことがないが)
僕は誰かの「特別」になることを嫌い、また誰かを「特別」に思うこともしないようにしていた。(別に昔裏切られた事があるとかじゃないのだが)

親に不満を持った事も無い。むしろ大それた反抗をすることが無かった故に、叱られることも無かった。それだけのことだ。

父は建築会社の重役らしい。母は自分の趣味のためにパートをしていた。母は自分の稼ぎを家にあまり入れなかったが、家は結構裕福だった。
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