きっかけは
はぁーっと大きく息を吐いて肩の力が一気に抜けていく
いや、別に起きたからどうって事はないけど
今はまだ寝ててくれたことに安心した
良かった
「寝言か………」
思わず、言葉が漏れた
え?
え?
寝言?
かーっと頭のてっぺんから足の爪先まで一気に血液が流れるのを感じたと同時に
顔が熱くなった
絶対、俺今真っ赤だ
だって、だって寝言って
今、可憐の夢の中では俺がいてて
しかも、あんなに愛しそうに名前を呼ばれるなんて
それ、可愛すぎるだろ……
あー!ダメだ!
ちょっと落ち着こう
ふわふわと身体が落ち着かない
ふぅーと大きく深呼吸して昨日の事を思い出した
お互いの気持ちを確認したあと、可憐の悪魔、いや小悪魔ぶりに翻弄されながら
きっかけとなった高梨との事や、絶対絶対言いたくなかったのに
三年間の枯れ具合まで言わされるはめになった
「悪かったな!」と半ば自暴自棄になって拗ねた俺に可憐はぎゅっと抱き付いてきて
「私はずっと大好きだったよ」と言ってくれた
可憐からすると俺が可憐に恋愛感情がなかったことなんて見抜いてたし
強がりで言った「遊ぶ女はくらいは居てる」発言に諦めるつもりだったらしい
部長にもそんな自分の気持ちは知られていてそれでも、と付き合い始めたみたいだ
「部長の優しさとか強さに、私も部長にだんだん惹かれていったの」