きっかけは







「ぷっ、」




高梨の笑い声が聞こえて今度は俺が睨み付ける

お前が聞いてきたんだろ!




「悪い悪い!虐めすぎたわ」




高梨はそう言いながらも肩を震わせて笑っている


くそっ

高梨ははーっと大きく息を吐いた




「お前はさ、好きになったことないだろ?」


「……………」


「沈黙は肯定だな」




高梨はまた、ふっと笑った




「それにお前、女切らしたことないだろ?」




確かに高校になってから急に告白されるようになって


俺だって興味あったし付き合った

初めて彼女が出来てからはずっと別れても直ぐに新しい彼女が出来ていた

好きの気持ちがあったのかと言われればたぶん、無かった


告白されたから、付き合った

でも、だからと言って嫌いな奴とは付き合わないし楽しくなければ別れる

付き合ってる期間は楽しんでいた




「そりゃ、お前ほどのイケメンなら女は寄ってくるわな」




イケメン


何度か言われたこともある


彼女に「顔が好き」と言われたことも


その度に俺って顔だけ?なんて思ったこともあるけど別に気にしてなかった





「告白されれば付き合って、別れ話は大概女からってとこか?」


「ぐっ……」


「ははっ、図星か」

「で、でも大事にしてきたよ!ちゃんと!」








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