こどもの日~『マルチな彼女に首ったけ!』続編~
『こどもの日、実家に行きたいんだけど。
甥っこと姪っこにケーキを作って届けてあげたいの。』

俺の腕の中で甘える様に言う彼女。
もちろん、良いよ。
その日は俺も休みだから、一緒にいこうね。
そう、言って彼女に口付けを落とす。



さっき入ったお風呂の香りがする。
シャンプーの匂い、ボディソープの匂い、入浴剤の匂い。

ああ、歯磨き粉の匂いと、彼女の元々の体臭と。

全てが混ざりあって、俺を誘う。

柔らかくしなやかな体。

女らしい丸みを帯びた温かいボディ。

色気を滲ませた悩ましい吐息。

全てを奪ってしまいたくて、俺のモノにしてしまいたくて、目眩がする。



結婚、という鎖で縛り付けても良いかな?
良いよね?
君もそれを求めているって感じるから。


「結婚、して。」


こんな、ベッドの上でゴメン。
でも、切なくて、気持ちが昂って、我慢出来なかったんだ。


「うん。」


嬉しそうに恥じらい、俺の腕の中でうなずく彼女。


思いっきり抱き締めたら、痛い、と怒られた。
< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop