サムライ君とメガネちゃん
「ああ、お嬢様のご学友ですか、お待ち

を」

ん?お嬢様?ご学友?

インターホンの向こうで、男性が話す

しばらく立ちつくす

何気なく、門の内側に目をやると…

何やら、黒い塊が2つ

よく見ると…うっ、私の苦手なイヌが

しかも、ドーベルマンっぽい

そうこうするうち、門の向こうに初老の男

性が姿を現す

男性は柔和な笑顔を浮かべ

「尾山さま、どうぞ

お嬢様がお待ちかねですよ」

と、門の内側に私を招き入れる

私は2匹のドーベルマンを避けながら、お

っかなびっくり、男性の後に続く

豪邸の中に入り、映画のセットのような重

厚な階段を登る

長い廊下を歩いていくと…やっとミキちゃん

の部屋にたどり着く
< 194 / 362 >

この作品をシェア

pagetop