キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
きょうだい
「かけた!みーこ!ねこしゃんかけたよ!」
「…ほんと上手ね、鈴ちゃん」
花火大会の翌日。
今日は自宅でバイトをしてる亜沙美にかわって鈴ちゃんのお世話係。
最近よくこうして亜沙美がバイトしてる間、鈴ちゃんを預かることが多くなった。
鈴ちゃんを褒めると満面の笑顔で鈴ちゃんはさらに違うお絵描きを始めた。
そんな可愛らしい鈴ちゃんを見つめながら昨日のことを考える。
あれから希穂ちゃんは亜沙美と広瀬くんが見つけてくれて無事に合流することが出来た。
でも乃々葉と希穂ちゃんは決して会話を交わすことはなかった。
そして私もお母さんと会話をすることなく旭に手を引かれて帰った。
お母さんと目が合ってから家につくまでの記憶が曖昧になるほど私には衝撃的だった。
どうして前を向いて歩き出した途端に思い出したくない過去を見せられなくちゃいけないんだろう。