キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。



「…ごめんね。付き合ってもらっちゃって」


「いいよ。一人で全員分の飲み物持つの大変でしょ?」



私は亜沙美に付き添って自動販売機に向かっていた。



ふと隣にいる亜沙美を見上げる。



比べるまでもなく私より身長が高くてスタイルもモデルみたいにスレンダーな体型。



キリっとした目つきと両耳に三つずつ空いたピアスのせいでどこか近寄りがたいところはあるけど、関わると姉御肌でなんだか…



「……お母さんみたいよね」


「へ?お母さん?」



思っていたことがつい口から言葉となって出てしまった。



小声だったけど隣にいる亜沙美に聞こえるには十分な声量だった。



「わがままな七笑の面倒見たり、とはいえ乃々葉のこともちゃんと見てるしなんだかみんなのことを見てるお母さんみたいだなって思って…」


「あははっ!お母さんなんて七笑以外に言われたの初めてかも!
美瑚も意外と七笑と似てるところがあるねぇ」


「七笑と似てるなんて……」



前に乃々葉にも七笑と同じで料理できないと思ったとか言われたことあったな。



私ってそんなに七笑と似てるのかな?


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