キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。



「……広瀬くんから聞いたの。
『好きだけど付き合えない』って言われたって。
それってお腹に鈴ちゃんがいたから?」


「……っ」



亜沙美の瞳が揺れて動揺したのがわかった。



すぐに反論してこないってことは図星なんだろう。



やがて亜沙美は眉をハの字にして苦笑いを浮かべた。



「…巧に告白されたときはすごく嬉しかった。
でもそれに答えてしまったらいつか必ず鈴のことを話さなきゃいけない。

妊娠してる、しかも元カレの子供なんて言ったらなんて反応されるのか怖くて言えなかった。
今も巧には鈴がいることを言ってないんだ」



誰かと付き合うということは相手を受け入れるということ。



だから鈴ちゃんのことはずっと隠していられない。



ほんとのことを伝えてそれも受け入れてもらうしかないんだ。



それなのに亜沙美は受け入れてもられるのかが不安でずっと逃げている。



二人はずっと互いを好き合っているのに。


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