この空の下、君と一緒に。
それからなのか、彼女がやけに私に構うようになった。

朝教室に向かう途中も、
「神崎さん!おはよー!!」

移動教室の時も、
「神崎さん、一緒に行こう?」

どうしてこうなるのよ!!!!!!

私は貴女に構ってる暇はないわ!

そう心の中では言い返せるのに……。

実際に声に出せないでいた。


私は榊 アリスが大嫌い。
ちゃらんぽらんで馬鹿な子。

この名門校に入れたのも幸運だっただけじゃないかと疑うくらい。

けれどそんな私もなんだかんだで、彼女をほっとけないでいた。



お昼休み。

「神崎さーん♪」

この明るい声に、私の耳は記憶した。

彼女だということを。

「何よ。貴女はいつも騒がしいわね。」
「あたしは元気がモットーですんでw」
「……そう。」

勿論、彼女と共に行動することに抵抗が全く無くなった訳じゃないわ。

周りからの評価が下がるのは嫌だけど、自分がされて嫌なことはなるべくしたくないの。

なんだか可笑しくて、ついつられ笑いをしてしまう。

笑ったのなんて、いつぶりかしら。

知らないうちに私は彼女に素を見せるようになっていった。






それが馬鹿な判断だったのね。





彼女は次第に周りからの反感を買い、いじめを受けるようになった。





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