キミの螺旋

〈2〉記憶

《…身体が熱い。》
《あぁ…頭も痛い》

《…変だな…》
《身体中が痛いよ…》

《ここは…ドコ?》
《真っ暗な空間にあたし独りきり…》






 『ドンッ!!!』






「―――…っ…!!!?」

「凛?!」

「…サ…サラ…」

眠りから覚醒するのと同時にサラの声が聞こえた。


あぁ…そうか。『現実世界』なんだ…


「どうしたの!?悪い夢でも見た?」

「…大丈夫…」

「全然大丈夫じゃないわよ!」

「平気。ごめん」


あれから──あたしはサラの家に居候していた。半ば…彼女が強引に決めたのだけど。

…サラが心配してあたしの顔を覗き込んでいた。

息を整えて
サラに気付かれないように、そっと手を胸に当てる…動悸がなかなか治まらない。

悪夢はいつも突然襲ってくるの。

抽象的で現実ではない世界。
だけど、どこかリアルで…理由もなく怖い。
いつも同じ夢…

10歳の頃から…あたしの記憶が始まった頃から時々見ていた夢

──あたしの記憶はどこに行っちゃったんだろう?

考えるといつも不安になった。



「ねぇ?サラ、あたし明日出掛けるね」

「うん。ドコ行くの?」



「平田先生のトコ」
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