キミの螺旋
今まで生きてきた中で一番っていうくらい気分は晴れやかだった。



「凛!?どぉしたの?!何かあった??」

あたしの泣き腫らした顔を見てサラは心配そうに声をあげた。


まっすぐサラの家に帰ろうと思ったんだけど
あたしは嬉しくてサラに話を聞いてほしくてお店の方に寄った。

サラが帰ってくるのなんて待ちきれない!
今すぐ聞いてほしかったの


「あのね!あたし少し思い出したの!子供の頃の記憶…ほんのちょっぴりだけど!」

「マジで!?スゴいじゃん!おめでとう!良かったね…」

そう言うとサラは涙ぐんだ。

「えっ?!何でサラが泣いてんの!?」

「だって…凛の顔見てたら私も嬉しくなっちゃったよ。おかしいかな…?」

「わかんない…だけどあたしの事で泣いたり喜んでくれる人がいるなんて…無いと思ってたから」

「そんな事ないよ!他にもきっとたくさんいるよ!」

「…そ―かな…そうだといいな…」

どうしてサラの言葉ってまっすぐに、あたしの心に入ってくるんだろう?

あたしが欲しかった
その言葉をくれる


「ねぇ凛。人の感情ってね、周りの人にも伝染るんだよ?私が今、嬉しくて涙が出るのも凛の今の感情なんだよ…」
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