キミの螺旋
オレはちょっと拍子抜けした。

二人に会いたくて、でも何故か緊張したりしてたのに

どこ行ったんだよ…

…やっぱバカみたいだ。これじゃホームシックにかかった子供みたいだよな。

誰も居なかった事に、こんなにダメージくらうなんてさ

…やっぱりオレは一人なんだな…誰もそばにいないのは…自分のせいなんだろう。

寂しい時だけ
温もりを求めるなんて自分勝手すぎる。

そう思いながら自分の部屋へと入った。

部屋の電気をつけようとして…オレはいつもと違う自分の部屋の雰囲気に気付いた。



「…!?」



誰か…いる?!



明らかに人の気配…そして寝息が聞こえてきて、オレはベッドの方を見た。


……凛!?

凛が寝てる?!何で?


オレは驚いた。
凛が居たことよりも…オレの部屋で眠っていた事。

あれほど嫌われようとムシしまくったのに?オレの部屋なんか入りたくないんじゃない?


だけど…この状況に嬉しさを感じてる自分もいた。

…小さな声で呟く。

「バカ凛…!何で人のベッドで寝てんだよ?オレ寝れないじゃん」

すると思いがけず返事が返ってきた。



「ん…藤紀…?……………お帰り…」
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