キミの螺旋
それでも、あたしは店の中に戻る気にはならなかった。

どんなに自分を納得させようとしてもヘンなトコで割りきれない…

上辺だけの偽りでお金で買った言葉なんていらないからだ。


「…帰ろうかな…」

ミカちゃんにはメールでもしておけば大丈夫だろう。
楽しんでるトキだし…邪魔しちゃ悪いよね。



あたしはそのままマンションへと戻ろうとした…

が、すぐにあたしは足を止めた。


道端でうずくまる男性…最初、酒に酔って具合悪くなっちゃった人なんだと思った。

だって繁華街だし…ホストクラブもそうだけど、居酒屋、パブ、キャバクラ、高級クラブ…オカマクラブまである街だもの。

それは当然目につく姿のように思えた。

普段から見慣れた光景なのだから、そのまま無視して家へと帰ればよかったのだけど…


あたしが足を止めたのは、彼が大きな花束を持っていたから。

チラッとしか見なかったけれど、大きさや花の色合いを覚えてる。


ホストクラブへ向かっていた途中にぶつかった人なんじゃ…ないかな?

あんなに大きな花束持って歩いてる人は…あんまり居ないし…


そう思ってあたしは近づいてよく見ると、彼は泣いていた。
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