オフィス・ムーン

　私は 自分でも びっくり

するほど怒っていた。今

迄 自分でも気が付かない

で、いたが有森君を仲間

だと凄く信じていたのだ

。味方のはずの有森から

の課長を庇うような発言

は、かなり私の心を傷つ

けた。

「待って、南野さん！だ

から、そんなつもりじゃ

…」

「離してよ、痛いじゃな
いの！」

有森は、慌てて 強く掴

んでしまった私の腕を離

した。

「ごめん…あ、つい、で

も、…」

私は有森君の顔を見ない

ように顔を背けた。ナゼ

カくゃしくて涙がでた。

私は 更衣室に逃げるよう

に駆け込んだ。

残された 有森は、不用

意な自分の言葉で 南野を

傷つけてしまった事を後

悔していた。南野さん、

泣いてた。