自分という闇から救ってくれたのはあなたでした。
現実
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめ、なさい。ごめんなさい。
はぁ、ごめ、はぁ、なさい。」

こはなはうわごとの様に謝罪の言葉を述べる。否、述べ続ける。

それと同時にこはなの息は荒くなっていく。

「大丈夫だ。こはな。俺の目ぇみれるか?」

こはなを包み込む様にして蘭がこはなに目線を合わせる。

「ごめ、なさい。落とし、ちゃ、って。」

こはなは、気が動転しているのか、蘭の言葉を聞ける状態ではない様だ。

しかし蘭は声をかける。

ゆっくりと、畳み掛ける様に。

「大丈夫。こはな?お前は何も悪くないんだ。今の事は気づけなかった俺たちが悪い。今、こはなが思ってる事は俺たちはぜってぇしねぇ。こはなが嫌がる事はぜってぇしねぇよ。だから、生きろ。こはな。
生きてりゃなんとかなる。
もし、死にたいと思ったら俺のこと思い出せ、俺のために生きてくれ。こはな。」

そうして、壊れ物を扱うかの様に蘭は慎重に慎重を重ねて、優しくコハナを抱いた。

「いき、てて、い、いの?わ、たし。」

こはなの目から小さい涙雫が溢れる。

そして、ゆっくり目が閉じていく。



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