青空の下で
私は「寒くない?」と話を変え、聞かれたことには答えなかった。
「寒すぎる」
「だよね」
自分の体を抱きしめるように、抱える春樹君。
私は近くにあるバス停へと足を進めた。
この村にある唯一のバス停。
一つしかないせいか、意外と立派な造りになっている。
待っている人が寒くないように、ストーブなんかも置いてあるし。
春樹君はここまで一体何できたんだろう?
バスで来たとしても、最終は終わってしまったから帰りは歩くしかない。
バス停から見える景色は何だか珍しく綺麗に写る。
私の住む村では雪が降らなくて、星が綺麗に見える日に限って寒さが痛いんだ。
肌に突き刺さるような痛みを堪えながら、春樹君の言葉を待った。