僕は、私は、君が好き
初めまして2年生
春風に運ばれた甘い香りが鼻をくすぐる。

もうすっかり歩き慣れたこの坂にも一面、桜の海が広がっていた。

私、佐々木 菜緒(ささき なお)は、この春めでたく高校2年生になりました。

それからおめでたい事がもう一つ。

「久しぶり!さっちゃん何組だった?」

声をかけて来た彼の名前は、神谷 新(かみや しん)

私の幼なじみで同級生。小さい頃から私の事を『さっちゃん』って呼んでる。

「新ちゃんまた背伸びたんじゃないの~?」

私は彼の肩に伸ばし必死に背伸びをしてみる。

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