オリオン
プロローグ
私は今日も空を見上げる。



このクソ寒い時期になると必ず空を見上げるんだ。



あんたが好きだったオリオンを探すために。



ねぇ、シン。



もう一度会わせて欲しい。と柄にもなく、星を見上げて祈るんだ。



凍りつきそうな空気を吸い込みながら、星空を見上げるとあんたが微笑みかけてくれる気がして。



オリオンを見つけるたびに、あんたの匂いを思い出すよ。



寂しがり屋でどうしようもなかった、あんたの甘ったるいあの匂いを…



どうして連れて行ってくれなかったの?


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