オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
「向居って、酒弱いの??」

「俺が…いつ強いなんて言った」


紅潮しつつげっそりとした顔が、恨めし気に見上げてくる。


「都…お前…ザルすぎ」

「え、ごめん! 弱いならそうと早く言ってくれればいいのに」


と気遣うけど、


「おま、声がすこぶる喜んでるぞ…」


だってだってだって!
あの完璧イケメンの向居が!

酒に弱いだなんて…!

そういえば向居、昨日もそんなようなこと言っていたけれど…あれ、謙遜じゃなくて本当だったのね…!

大きな身体はぐったりとしていて、普段の堂々とした風格が見る影もない。ああイケメンエリート様の、なんて憐れなるお姿…!

顔がニヤけるのを抑えられないっ…!

なるほど。通りで飲み会にはあまり顔を出さないわけだ。人当たりはいいくせに一匹狼みたいにクールぶって、と思っていたけれど、実はそういう事情があったのね…ふふふ!


「残念ねぇ、イケメンリーマン向居さんが、酒に弱いだなんてぇ」
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