俺様副社長の溺愛秘書
「さっきは悪かった。」


「さっき?」


「過去の話だ。つい聡と言い合いになって。」



バツの悪そうな尚輝が視線を外し、手に持つ煙草を見つめた。



「確かに女遊びはしてた。朱里と別れて、彼女なんて作ろうとも思わなかった。」


「彼女いたんでしょ?」


「彼女ってより…………遊ぶ女。最低だよな?でも止められなかった。心では朱里を追い求めてたけど、現実には触れられない存在だったから。」



尚輝の持つ煙草がジリジリと燃えていく。その火を尚輝をじっと見つめている。



「軽蔑したか?朱里だけだと言っておきながら、色んな女と遊んでいた俺を。」


「…………。」


「でも10年も女を抱かずにはいられなかった。」


「…………。」


「朱里、軽蔑したか?」



震える尚輝の声に、煙草を見つめたまま俯く尚輝を覗き込んだ。


尚輝の表情に体が固まってしまった。
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