俺様副社長の溺愛秘書
「朱里、ここにソースが。」



真央の指摘にペーパーを取ろうとした手を掴まれる。勿論、尚輝にだ。


チラリと尚輝を見れば、近付いてくる顔に体が固まった。



ペロリ。



唇の端に付いていたソースを舐める感触に動けないでいた。



「おいおい、尚輝。」


「兄貴、止めろ。」



悠木さんと陽輝の声に我に返る。目の前に座る二人と目が合い、ニヤニヤと私を見ている。



「ちょっと尚輝。」



隣を睨めば、平然とハンバーグを食べている。チラリと私を見た尚輝と目が合う。



「朱里、何?照れてる?」


「…………当たり前でしょ。」


「自分の女の唇を舐めるぐらい。」


「…………。」


「あっ、勘繰るなよ。朱里以外にはしないから。」



心を先に見透かされた。ニヤリとする尚輝は上機嫌だ。



「照れるな、別にキスぐらいはしただろ。」


「なっ!」


「覚えてない?思い出させてやろうか?」



ニヤリとする尚輝に勢いよく顔を近付ける。
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