空に虹を描くまで
第七章 文化祭


電車のドア付近に立ち流れる景色を眺めていた。


電車の中はいろんな声が飛び交い、扉が開くと愉快な駅メロが流れる。

この駅メロを聞くのもなかなか楽しい。


みるみると移り変わる景色に見飽きることなく、わたしはただぼーっと窓の外を眺めていた。



通り過ぎるグラウンドには白いTシャツを着て黒い帽子をかぶった男の子たちが、野球をしている。

ベンチには日傘をさした親たちが応援をしていた。

見ているだけで、電車の中まで声援が聞こえてくるようだ。


駅名がつくほど大きな公園には、いくつもの木が植えられていてゆっくりと吹く夏風にのどかに揺れていた。


子供達はこんな暑さなんて気にならないほど、楽しそうに遊んでいた。


こけるんじゃないか、とハラハラするくらいに元気に勢いよく走り回っていた。

ーーいや。
きっと転んでしまっても気にしないんだろう。

気にせず、すぐに立ち上がって、きっとまた、すぐに走り出すんだろう。


電車の中から見る景色は、温かく、心を穏やかにさせてくれた。




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