想い心と罪心【短編】
「朋ちゃん。こっちで勉強しようよ」
笑顔で手招きする。
「いいけど………。咲、あのままで、いいの?」
「いいのいいの。さっ、やろ」
必死に勉強に集中しようとするけど集中なんてできるわけもない。
いいわけないじゃん。
でもこれ以上あそこにいたら泣いちゃいそうだし、かといってあの場にかけつける勇気だってないんだもん。
弱虫。
そう言われたっていいよ。
だって、今の私には彰斗に愛されてる自信ないもん。
もしあそこに行って『この人と付き合うから別れよ』っとか言われたら終わりだし。
そのまま下校時間まで、私のノートは真っ白のままで、考えたくない二人のことで頭が一杯だった。