メープル*パンケーキ【2巻】*Happiness story*

「……夏音ちゃんがその部類の子じゃなくて良かった。…幾斗が惚れる理由が分かる気がするよ。」

―ぴくっ

何だろう…冴木君の名前を聞いただけなのに頬っぺたの力が抜けそうになる。

「あれ?幾斗って口に出しただけなのに、なんか照れ顔になってない?♪」

『そっそんな事っ…!あり、ますけど……!』

「あはは、初々しくて可愛いね♪…何かあったら言ってよ、抱き締めてあげるから♪」

『遠慮します…!』

さっき見せた寂しそうな表情はどこへやら、今はいつもの楓さんだ。
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