メープル*パンケーキ【2巻】*Happiness story*

体を包んでいた内の片腕は腰をグイッと抱き寄せ、もう片手は私の顎を軽く持ち上げて。
少しずつ近くなる互いの唇。

冴木君の前髪と高い鼻が肌に触れて…もう少しで唇が重なる―。

「事ぃ務ぅ所ぉのぉ入~り~ぐぅ~ち~!オ~ジ~サ~ン居る~よ~!」

『っ…ふふっ…♪』

「はぁ~~~~。」

嘆きの様な…若干情けない叫び声を張り上げる姿が横目に写り込んできて、私は堪える事が出来ず吹き出してしまった。

「阻止完了~~♪さっ、賄いの時間だぞ~♪おいで~♪」

「…チッ…は~~い。」

『は~い♪……お預けだね?』
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