愛されることを受け入れましょう
「あの、それってまさか将来を考えて、ですか?」

それまで聞き役に徹していた由紀ちゃんが身を乗り出して、急に質問する。声もいつもより大きいし、驚いているみたいだ。

「ま、そういう事だろうね。俺からしたら考えられない長期計画だけど」

「それ以前に、順番間違えてると思います。まずは本人への意思確認くらいはしないと‥‥‥」

驚きはおさまったけど納得は出来ないらしい由紀ちゃんが、理一君を視線の端で睨みながら小さくため息をついた。


何?本人の意思確認?‥‥‥さっぱり分からない。


黙って聞いていたひよりちゃんも麻生さんも困ったように理一君を見ているから、状況の理解は出来てるんだろう。この場で分からないのは私だけみたいだ。

説明してほしいと視線を向けるけど、私以外からの憐れむような視線に耐えている理一君には気付いてもらえない。いや、気付かないふりしてるのかも。






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