君の赤
「仕事、行かなきゃ…」





スーツに着替え、僕は出掛ける。




赤い傘の隣に置いてある、黒い傘を持って。









人々が、道を行く



ある人は、学校へ

ある人は、会社へ

ある人は、子供の送り迎え


ある人は、大事な人の元へ。





今日も目に入る傘の色は黒ばかり。






なんてつまらないんだろう






君が隣にいないだけで

こんなにも世界がつまらないなんて。








やっぱり雨は嫌いだ。
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