奏でるものは~第2部~
第1章


凌凛館高校(リョウリンカンコウコウ) 芸術科 入学式の朝。


既に咲き誇った後の、桜の花びらが舞う中、新しい学校の門を母とくぐった。

受付を済ませ、そこでクラスを聞いたので教室に向かう。



広い学校だが、クラスは少ない。


芸術科の為の音楽室やピアノ室、美術室、工芸室、書道室が多くとってあり個別にレッスンや作品作りができる為の部屋が多い。


普通科は3クラス120人。
芸術科は2クラス80人。


1年生は火曜日の授業が、すべて芸術科の授業やレッスン、作業日にあたる。

専門の先生や、講師も来るので集中できる。

三年生になると、芸術科の授業は金曜日だが、他の日にも入れられるようになる。

普通科は中学からの進学者が多く、難関大学への進学率も高い。



クラスに行くと、当たり前だけど、知らない人ばかり。


日本全国どこにでもありそうな、濃紺のブレザーにブラウスとグレーの生地にチェック模様の膝上丈のスカート、男の子は同じ柄のスラックスという制服。



―――ちょっと地味



と思っていたが、すでに制服を着崩している人もいて、今までとはちょっと違う雰囲気に少し戸惑う。



―――芸術科ってやっぱり個性的?







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