奏でるものは~第2部~
私の手は筝の弦を押さえるため、タコができているのが常態。
触ると気付かれる、のは当たり前で、指を撫でてくれる。
お稽古のことは何も言ってないが、何かしら気づいたのだろう。
指を1本ずつ撫でて、薬指をなでてくれてたとき、予想外の言葉が、彼の口から聞こえた。
「この指の指輪は、またいつか」
左手薬指の指輪。
驚いて目を見開く。
なぜか嬉しくてどうしようもなくなる。
でも、姉の指輪を思い出して、せつなくなり、遠い約束は、しない方がいいのに、と思ったが、今は嬉しかった。
私からキスをした。