眠れぬ王子の恋する場所


唇を合わせながらもじっと見てくる久遠さんを、私も見つめ返し……ああ、と思う。

やっぱり私は、この人に弱い。

襲われているっていうのに、拒否しようと思えない。
これが、本能ってやつなんだろうか。

キスにも、触れられることにも、なんの抵抗もなかったし……執拗に舌を合わせられても、嫌悪感はなかった。

冷たい唇が啄むように触れてくる様子をぼんやり眺めてから、目を閉じる。

「ベッドがいいです」

キスの合間にこぼれた声が、やけに甘ったるくなってしまって。
それに困惑して顔を赤くしていると、久遠さんがわずかに笑った。










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