エリート御曹司が過保護すぎるんです。
「青羽ちゃんも行くんだよね?」
「もちろん」
「……じゃぁ、行ってみようかな」

 中途半端な気持ちを断ち切るための、いい機会なのかもしれない。
 そう思った私は、青羽の誘いを受け入れた。

 どう頑張っても、二階堂さんとはこれ以上近づけないのだ。
 ちゃんと事実を受け止めて、気持ちにけりをつければ、次の恋にだって進めるかもしれない。

「ありがとう! 桃ちゃん大好き!」

 青羽はそう言って満面の笑顔を向けた。
 結局のところ、こんなふうに素直に感情を表す青羽をかわいいと思うし、憎めない。

「バレー部に、すてきな人がいるかな」
「いるいる! 紫音ちゃんにも、桃ちゃん向きのイケメンがいないか、チェックしててもらうから」
「期待しとく」

 青羽は私の返事を聞くと、「じゃあね」と手を振ってランチに出かけていった。
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